船舶の大型化・国際化に伴い、安全で安定的に船舶が航行できる航路を確保するため、国土交通省では、「開発保全航路」を指定し、みずから管理・保全業務を行っています。
備讃瀬戸航路は、播磨灘と燧灘を結ぶ最狭部約3kmの狭水道にあり、瀬戸内海を東西に結ぶ唯一の幹線航路です。航行する船舶は、昭和30年代後半から瀬戸内海沿岸の工業立地と港湾整備の進展とともに隻数の増加と船舶の大型化が進みました。現在は、1日に約600隻もの船舶が航行しています。
当事務所では、瀬戸内海の海上交通の要衝である本航路の開発及び保全を担当しています。昭和40年代の開発工事では、大量の浚渫(しゅんせつ)土砂を坂出港番の州臨海工業地帯の形成にも有効活用しました。
航路の水深確保
航路の保全
備讃瀬戸海域は、大小多数の島しょ、暗礁の点在によって、複雑で強い潮流が発生し、各所でサンドウェーブ現象に代表される埋没現象が生じています。特に北航路と南航路が交差する海域(イノサキノツガイ地区)では埋没が著しく、航路としての機能に支障をきたす状態となります。
浚渫土砂の有効活用
養浜工事施工後(小豆島・福田海岸)
浚渫した良質の砂については、瀬戸内海の環境改善に役立つ覆砂や人工海浜の造成などに有効活用する環境リサイクルを進めています。
開発保全航路の管理
開発保全航路指定区域については毎年1回音響測深器を用いて水深を測定(深浅測量)し、航路の埋没状況を調査しています。また、港湾業務艇「さんせと」にて現地を巡視しています。