
三島川之江港は、製紙・パルプ業に必要な原材料(木材チップ、パルプ、石炭)の取扱量が多く、大型船による輸入が頻繁に行われてきました。しかし、岸壁不足のために大型船が着岸できず、滞船(沖待ち)が発生するなど港湾施設の能力は限界を超えていました。
そこで、松山港湾・空港整備事務所では、世界的に進む船舶の大型化にも対応した水深14m岸壁を備えた国際物流ターミナルの整備を金子地区で実施しました。すでに、水深14m岸壁をはじめとする泊地、防波堤などの主要な港湾施設の整備が完了し、現在は貨物の保管や荷さばきなどを効率的に行うための埠頭用地などを整備中です。
松山港湾・空港整備事務所では港湾や海岸の整備にあたって、自然に与える影響を抑え、より良い環境や生態系が保たれるように配慮しています。例えば、港湾施設の整備には、ケーソンなどのコンクリート構造物が用いられますが、これまでの凹凸が少ないケーソンでは、偏った生物だけが生息し、生態系を崩す危険性がありました。三島川之江港では、凹凸のあるエコシステム式海域環境保全工法を採用したケーソンを据え付けました。メバルなどの小魚やマナマコなどの底生生物が棲み付き、生態系が上手く循環していることが実証されています。