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港湾をつくる基本的な施設


埠頭(ふとう)には、いろいろなカタチがあるよ。

岸壁や桟橋などの船舶を係留(けいりゅう)する施設や貨物の積み卸しを行う機械、貨物の保管・輸送を行うための上屋(うわや)、臨港道路などの港湾施設をまとめて埠頭と呼びます。
岸壁は、とても丈夫に作られているんだよ

海と陸を結び、船が着く場所が岸壁です。そのため岸壁は大きな船舶が着岸した時の衝撃や75年に1回程度の地震にも耐えられるよう頑丈に作られています。しかし、阪神・淡路大震災など大きな地震の発生により、岸壁が損傷を受けると、物流が途絶え、産業や暮らしが大打撃を受けることにもなりかねません。そこで、いつ発生してもおかしくはないと言われている南海トラフ地震に備えた耐震強化岸壁の整備も進められています。
防波堤には、どんな役割があるんだろう?

防波堤は、文字通り波を防ぐ堤(つつみ)です。荒れた気象のもとでも、外海の波を遮り岸壁に着いた船舶の揺れを防ぎ、船舶の入出港や港内でのスムーズな荷役作業を助けてくれます。防波堤は、海底から水面上まで石やコンクリートで造る構造物です。また、現在、自然環境への負担をできるだけ減らすことが考えられており、たとえば防波堤の外と内側で海水が往き来できる透過式防波堤や海洋生物の住みかを提供するエコシステム式の防波堤の開発も進められています。
航路は、船が安全に入出港するための海の道なんだよ。

航路は、広い海域ではあまり制約はなく、自由に航行することができるものと、海底を掘って深くした人工の海の道があります。この海の道を通ることで、船舶は安全に入出港することができるのです。現在、徳島小松島港赤石地区には、水深13mの航路があり、全長210m・5万トンクラスの大きな船舶も利用することができるようになっています。
泊地(はくち)は、船が安全に停泊するスペースなんだ。

泊地とは、船を岸壁に係留して安全に積荷を降ろしたり、積んだり出来るように波が穏やかで、十分な水深がある、といったスペース(水域)のことです。また、船が着岸や離岸する時、方向を変えるために船を回転させるスペースでもあるのです。そのほか、台風などの風や波から航行中の貨物船などが安全な場所に避難するための避難泊地もあります。
上屋(上屋)・倉庫で、貨物を保管しているんだ。

上屋も倉庫も同じように、貨物を保管する場所です。では、なぜ呼び名が違うのでしょうか。これは倉庫が貨物を保管しておく場所であるのに対して、上屋は貨物を一時保管し、そこで分類や仕分け、検査、関税手続きなどを行うための施設として利用されているためです。見た目には変わらないのですが、法律の上でも、倉庫は倉庫業法、上屋は港湾運送事業法というように分けて規定されています。

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