今後、発生が予想される南海地震など、常に私たちは地震の恐怖にさらされており、日頃から万全の防災対策を施す必要があります。
それは港も例外ではありません。阪神大震災や、その後も頻繁に発生する大地震による被害からも分かるように、地震が発生すると、道路、鉄道そして港とあらゆるライフラインが寸断され、救済活動に大きな支障を来たします。そうした事態をさけるために、松山港湾・空港整備事務所では松山港外港地区において耐震強化岸壁を整備しました。
神戸市中央区北公園東側護岸
護岸が海側に数メートル押し出されたことで、背後地盤が海没したと考えられます。
神戸港摩耶ふ頭地区岸壁
地震による慣性力と岸壁背後の液状化によって、岸壁本体(ケーソン)が海側に押し出され、裏込石や土砂が海に流出したために激しく沈下したと考えられます。
慣性力と土圧を軽減するため、ケーソンを巨大化。
地震による揺れで慣性力が働き、その結果、土を止めているケーソンに大きな土圧(土がケーソンを押す力)が発生し、ケーソンを動かそうとします。そこで、ケーソンが動かないように、従来のものより幅約1.5倍以上あり、重さは1,940tのケーソンを設置しました。
液状化現象を防ぐ、SCP工法
地震による震動で土や砂の中にある水の圧力が上昇し、土や砂が水の中に浮いた状態(泥水)になってしまう「液状化現象」が発生します。耐震強化岸壁では、土や砂に砂の杭を打って地盤を固める「SCP工法」によって岸壁の下にある砂を改良しました。