海上に浮遊しているごみや油を発見されたらご連絡下さい
坂出事務所
TEL:0877-46-0311
海面清掃兼油回収船「美讃」
海を漂流する木材やゴミは海を汚すだけでなく、船体への衝突やスクリューに巻き付くなどして、行き来する船の安全を脅かします。
また、事故などで漏れ出た油は魚や海鳥の命にダメージを与えます。
このため、国土交通省では海洋環境整備事業としてゴミや油の回収をしています。
当事務所では、海面を漂流するゴミや油を回収する海面清掃兼油回収船「美讃」を使って、美しい瀬戸内海の環境や安全を守っています。
潮目に浮遊するゴミ
流出油の状況
大量流木
流木の回収状況
浮遊ゴミの回収は、海面清掃兼油回収船「美讃」を約4ノットで航行させながら2つの船体の間(双胴船体間)にゴミを導いたり、また効率よく回収するため、多関節クレーンを使用します。
担当海域
「美讃」は、坂出港を活動拠点港としており、担当する海域の中には、日本と海外を結ぶ船も利用する国際航路として1日に約700隻もの船が行き交う備讃瀬戸航路が含まれています。
四国地方整備局管内には、「美讃」の他、「いしづち」「みずき」の3隻が配備されています。
当事務所の担当海域は、備讃瀬戸・備後灘・燧灘東部の2,500k㎡となります。ただし、港湾区域及び漁港区域内を除きます。
担当海域
浮遊ゴミ
■年間平均回収実績は約1,000m3で、10tダンプトラック でおよそ166台分に相当します。
■昭和49年度~平成30年度までの総回収量は43,500m3で10tダンプトラックでおよそ7,250台分に相当します。
油水
■昭和58年度~平成30年度までに回収した油水の量は4,773m3で、ドラム缶23,865本分に相当します。
※10tダンプトラック=「6m3/1台」で計算 ドラム缶=「0.2m3/1本」で計算
平成30年7月豪雨で浮遊ゴミを回収する「美讃」
平成30年7月豪雨に伴う漂流物の回収(香川~岡山県間)
平成30年7月豪雨により瀬戸内海に大量の漂流物が流出しました。短時間で広範囲の回収を行う必要があったため、他の海域を担務する海洋環境整備船や民間のクレーン付台船と協力して回収を行い、豪雨後の1ヶ月間で約1,620m3(10tダンプで約270台分・同海域での平年7月分の5倍程度・ 平年年間分の2倍程度)の漂流物を坦務海域内(備讃瀬戸を中心とした海域)で回収しました。
通常坂出港まで帰港し回収物を陸揚げしているところ、一部海域では 作業現場付近の洋上で、民間所有のクレーン付台船に回収物を荷揚げし、すぐに回収作業を再開できるようにするとともに、観音寺港や三本松港で臨時に回収物の陸揚げを行った。
観音寺港での陸揚げ
流木回収(平成29年)
クレーンでの流木回収状況
平成29年台風18号通過後、香川県観音寺市沖の伊吹島周辺海域に流木等が漂流していることが確認されました。
この流木等を「美讃」により、9月中旬から10月中旬にかけて回収作業を行いました。
流木は10mを超えるものもあり、気づかずに船体にぶつかれば事故に繋がります。
大きな漂流物は多関節クレーンを使って、その他小さなものはコンテナにて回収しました。
浮遊する流木
回収した流木
陸上げ作業状況
流出油回収(平成18年)
作業中の「わしゅう」
平成18年11月、豊島北方で貨物船と小型タンカーが衝突し約60klの重油が流出しました。この流出油の回収を「わしゅう」が行いました。
「わしゅう」の回収状況
回収量 | 各日別油回収量 | ||
---|---|---|---|
29日 | 30日 | 合計 | |
油水回収量(トン) | 75 | 20 | 95 |
うち油分(トン) | 5 | - | 5 |
ドラム缶に換算すると(本) | 25 | - | 25 |
回収作業の様子
海面を浮遊する油
回収した油水
海域環境修復
瀬戸内海の海域環境を改善し、豊かな生態系を創り出すことを目的とした取り組みの1つとして覆砂があります。
覆砂は、海底にたまったヘドロ層の上を良質な砂で覆い、有機物や栄養塩の流出を抑え、海の生物が本来持っている自浄能力をよみがえらせ、底質や水質をきれいにしようという事業です。
底質や水質の改善により、いろいろな生物が住みやすい海域環境を回復します。
海底汚染による悪循環
覆砂による改善効果